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木材タイトル

単位の話が出ましたが、昔から材木にも符丁と言う数の言い方がありました。これを列挙してみます。

 ホン(1) ・ ロ(2) ・ ツ(3) ・ ソ(4) ・ レ(5) ・ タ(6) ・ ヨ(7) ・ ヤマ(8) ・ キ(9)

戦後は使う人が少なくなり、市場では使われないので今では昔の語り草となりました。
木材は時期によって傷みやすく、殊に6月の梅雨時期にはカビが生えやすく風通しを良くして在庫に大変気を使い、商品回転を早めねばなりません。逆に乾燥時期にはひび割れ・色焼け・変色に悩まされます。

さて、ここで製品について少しお話をいたします。原木丸太は芯から中程までは赤味で、中程から外側までは白身の年輪を持っています。一例を挙げますと、同じ檜材でも赤味部分の多いもの、少ないもの、色の濃・淡、年輪の色合いの濃・淡、材質の硬・軟、節の大・小・多さ・少なさ、生き節と死に節、それに香りの違いがありますが、これに産地の気温の差と雨量の差及び風向等の気象条件、及び土壌、水はけ、土地の高低差、山の角度と斜面の向き等とが複雑に絡み合い、それぞれ産地独特の木肌の差を生むのです。

製品は原木の先端から根に向かって台車付きの帯鋸、丸鋸で製材されます。
余談ですが、昭和40年頃まで五日市の秋川には川から導水路を作った川沿いの大掛かりな水車(水力)式の製材工場が見られ、見応えがありました。

檜木目1

次に、製品の良し悪しを計る等級に就いて少しお話しますと、杉材の代表格は吉野材と秋田材ですが、殊に吉野の造作材は木目が細かく屈指の美しさがあります。
最も細かく仕分けられているものに秋田杉のシブ板があります。
一例を挙げますと厚さ2分3厘・幅一尺・長さ6尺(0.7cm×30cm×1,8m)の板は高級役物から赤柾無節・無節・上小節・小節・徳用(4尺使い)・飛び節(3尺使い)・一つ節。一等。二等・三等などと、このサイズだけで焼く20種類に分類されていました。

檜材の代表格は木曾檜と吉野檜ですが、巨木で最高級の木曽檜は木の芯を取り除いた芯去り材にして構造材・造作材・建具材・家具材に使われますが柱の等級は四方柾無地・三方柾無地・二方柾無地・一方柾無地等と巨大な豆腐の切り身にも見え、又、木曽檜にしかない独特の高尚な木の香りを漂わせる素晴らしい木材です。
材木屋では納屋の林場に製品の長さ4m位迄の木材は根を上にして逆さに立て、墨で看板を逆に刷り込み陳列販売されています。 納屋の中は絶えずなんとも言い表しようのない木の香が漂い癒し系の新鮮な気分が味わえます。

檜木目2

別表に全国各地の杉材、檜材の産地の一例とその特徴を列記してみましたが、特徴に就いては言葉や文章で表現するのは難しくご理解しにくいと思います。
同じ檜材の木肌を見ただけで何処地方産の檜かが判るようになるには数多くの産地のものを繰り返し見て・触る経験が必要です。