TAIPEI法案・ついに議論に

ソロモン諸島とキリバス共和国が台湾との国交を断絶して中共との国交を結びました。インフラ整備の費用を中共が持つといういつもの手口ですが、すぐに引っかかる弱小国家にも困ったものですね。

アメリカ司法当局は「経済成長やインフラ開発の促進を主に期待して中共との関係を強化する国々は多くの場合、長期的には国情が悪化することになる」と警告を発しています。

この中共の行動が、台湾の蔡英文政権を追い詰め、2020年1月11日の台湾総統選挙で国民党側(=中共寄り)の候補者を当選させようという圧力であることは間違いないでしょうし、同時に第二列島戦の完成に向かって、アメリカ軍とオーストラリア軍の動きを見張ることの出来る軍港を太平洋上に作るつもりでしょう。

これで台湾と国交のある国は、バチカン市国、ニカラグア、ホンジュラス、ハイチ、ベリーズ、グアテマラ、セントクリストファー・ネビス、セントルシア、セントビンセント・グレナディーン、パラグアイ、エスワティニ、ツバル、パラオ、ナウル、マーシャル諸島、の15カ国になりました。(聞いたことの無い国もありますね)

このような情勢の中、アメリカはついに台湾独立につながる法案が検討され始めました。
「Taiwan Allies International Protection and Enhancement Initiative Act.」という法律で、台湾の国家承認や台湾との非政府間交流を各国に促すよう米政府に要求する法案です。
この頭文字をとると「TAIPEI法案」となります。アメリカもなかなかしゃれたことをしますね。

このTAIPEI法案は、昨年9月に共和党のコリー・ガードナー上院議員と、同じく共和党のマルコ・ルビオ上院議員によって提出され、今年の5月に議会に導入されたものですが、この法案の迅速な通過を求める声が大きくなり始めたと言う事です。

香港で始まった「逃亡犯条例」を拒否するデモは今も収まりません。キャリー・ラム行政長官は9月4日にこの条例を完全撤回しました。しかし収まらないのです。
「自由選挙を認めろ」と言うのがデモの究極の要求になってしまったようです。

マルコ・ルビオ上院議員は、「(逃亡犯条例完全撤廃は)歓迎するが、香港市民への当局の暴行の後ではもう不十分だ。中国共産党は香港の自治を守り、暴力の脅しで事態を悪化させるのをやめるべきだ」と演説していますし、テッド・クルーズ上院議員は「重要な勝利だ。自由のために立ち上がる市民の力を証明した」とツイッターで述べ、また民主党のベン・カーディン上院議員は「撤回は正しい判断だが、デモ参加者の要求実現の第一歩にすぎない」と述べています。
つまりアメリカは香港デモでも中共を追い詰めることが、共和・民主とも同じ行動となっているようです。

この香港デモは台湾に影響を与えています。9月17日に郭台銘・鴻海(ホンハイ)精密工業の前会長「郭台銘氏」は総統選への無所属での出馬見送りを表明しました。
「誰かの助言や影響があったわけではなく、自らしっかり考えた。国の指導者選びを考える時、社会が理性的な思考や政策面での議論に立ち戻ってほしい」と出馬見送りについて語りました。
「総統選には出馬しないが、政事への関与を諦めたわけではない。引き続き積極的に自身の政策を進めていく」などと述べております。

これで国民党系の候補者は韓国瑜(かん・こくゆ)高雄市長となり、無所属の柯文哲氏がどうするかが注目されます。
柯文哲氏が立候補すれば、蔡総統と票が分裂する可能性があり、結果的に韓国瑜氏に有利に働くことが予想されるからです。

ここで問題になるのが、台湾の軍隊です。国民党(蒋介石)の軍隊であった中華民国国軍です。しかしこの軍とアメリカ軍はもともと中共と戦ってきた軍隊です。
蒋介石は人民解放軍との戦いで追われて台湾にきた人物。で、アメリカとは妻・宋美齢を介在して共に戦っています。
つまりアメリカ軍とは親和性が高いはずです。

もともと台湾の企業が中共に出ていって、中共で商売をしていることがありますが、それ以外では中共が好きな訳ではないと思います。
中共はドル獲得のために日本を手放すことは出来ません。そのため日本企業の中共撤退に関しては、それほど妨害はないと聞いています。
台湾の企業は中共撤退でさんざんな目にあっているとも聞きます。

ここらへんに台湾独立の布石があるのではないでしょうか。
日本も台湾独立に協力すべき立場なのですが、さて、日本政府はどう動くでしょうか。

ジョンソン首相への批判

10月末にEU離脱を強行すると、「食料品の価格上昇や医薬品の供給不足が起き、とりわけ低所得層が打撃を受ける」という内部文書が明るみに出たそうです。

この文書、ジョンソン氏が首相に就任して数日後の8月2日に作成されたそうで、英国のメディアが8月中旬に一部を公開したようです。
そしてEU残留派の無所属議員が今月9日、英議会で同文書の公開を政府に義務づける法案を提出し、賛成多数で可決され、同文書が公開されたそうですね。

ここまで見て来ると、ジョンソン大統領がトランプ大統領と同じ相手と戦っていることが見えてきます。そう、あの「ディープステート」です。

英国のEU離脱をどうしても阻止したいのは「ディープステート」側でしょうから。
やっと欧州を束ね、同じ経済圏に持って行ってユーロという共通通貨をドイツを使って作り上げた彼等は、英国によってそれが壊されるのを何としてでも阻止したいのでしょう。

しかし英国民はEU離脱を望んでおり、他のEU加盟国も、負担の大きいEUを何とかしたいと考えていますから、おそらくEUそのものが解体の方向に向かっているのだと思います。

ことの始まりはデイヴィッド・キャメロン首相の時に行った「国民投票」でした。キャメロン首相は英国民からEUが嫌われていることに気付かなかったようです。国民投票でEU残留となれば、反対派を封じられると考えたのかも知れません。

しかし結果は逆でした。極小差とも言われていますが、それはEU既得権を握っている人達が多いからでしょう。
そこでキャメロン首相が退任し、メイ首相が登場したわけです。メイ首相はEU側と交渉し、折り合う離脱をまとめたように見えますが、議会の離脱派が納得しませんでした。あまりにもEU側に妥協し過ぎたからでしょう。
アイルランドと北アイルランドの長い国境線が英国のウィークポイントで、EU側はそこを突いてきたからです。結局「カトリック」と「プロテスタント」の宗教がらみの対立を煽られたわけです。

アイルランドの民族主義過激派武装組織(IRA)が行うテロ攻撃で、ロンドンの街中が危険になったこともありました。
しかしその背景にはディープステートの暗躍があったかも知れません。

メイ首相の時、EU離脱の時期を10月末日と決められました。それまでにEU側と合意を成立させないと、「合意なき離脱」となり、またあのテロの恐怖が始まるぞ・・という恫喝のような決定でした。

しかしメイ首相退陣の後に出てきたジョンソン首相は最初から「合意なき離脱」を掲げて保守党内の選挙で選ばれて登場したのです。
テロの恐怖の恫喝が効かないこの首相に、マスコミが襲い掛かりました。「合意なき離脱の影響をまとめた政府の内部文書」がそれにあたる様に思います。

「食料品の価格上昇や医薬品の供給不足が起き、とりわけ低所得層が打撃を受ける」とか「物流が離脱1日目で通常の40%に落ち込む」、「生鮮食品の輸入が減少して価格が上昇する」、「英仏間のドーバー海峡をつなぐユーロトンネルで通関手続きが必要になり、大渋滞が発生する」など、脅し方も英国民の生活を直撃するような表現になっています。
そして、「ジョンソン大統領は意図的に合意なき離脱の影響を隠していた」として首相を追い込んでいるわけです。

このような恫喝に対してジョンソン首相は「対策を準備すれば(国民への)負担はゼロに近い」と楽観的な姿勢を示しています。

9月9日には離脱延期を求める法が成立したそうです。一体これは何でしょうか。EUからの離脱は可決し成立した法です。ジョンソン大統領は、メイ首相の決めた10月末の離脱を守ろうとしているだけです。
そこにこの法はジョンソン大統領に「離脱延期を求める」としただけの方で、そんな法が成立してもジョンソン大統領は聞く耳を持ちません。

恐らく10月後半になると、法を守らないジョンソン首相に対する辞任要求とか、弾劾処置などが出て来るのかも知れませんね。
そうまでしても、EU残留を求める英国民がいること。既得権の美味しい味は、ここまで来るともう麻薬ですね。

千葉の停電に思う

千葉県を中心に大規模停電をもたらした台風15号で、東京電力は何度も復旧の見通しを修正しました。
ですからそれに振り回された企業や商店も多かったことでしょう。

10日には「11日中に全面復旧」というアナウンスを出し、11日になると「13日以降にずれ込む」と修正しました。そして13日には「最長でおおむね27日まで」と修正しています。

東京電力は「想定外の被害」などと述べていますが、鮮魚の仕入れなどをしてしまった商店にとっては大きな損失が生まれたことでしょう。

電柱の倒壊が相次ぎ、さらに土砂崩れや倒木で現場に入れないといった「想定外」が重なり、復旧見込みが何度も修正せざるを得なかったとのことですが、被害地域に混乱を巻き起こすような発表は避けて欲しいですね。

東電の担当者は「すべての状況を把握した上で見通しを示すと、発信がかなり遅くなる。」と述べ、今後について「どう説明していけばよいのかしっかり検討したい」と述べておりますから、まずかったことは解っているようです。

「国際環境経済研究所」の竹内純子主席研究員は「広範囲で設備が損傷する異常な状況だった。ただ、社会の電力への依存度は高く、プレッシャーも大きい中で東電が情報発信を急いだ感がある」と指摘しています。

「東電は希望的観測の下で期待を抱かせてしまうような情報発信をした。重要なのは最悪のシナリオを想定すること。長期化する見通しが示されていれば、住民の自助努力の在り方も変わっていたはずだ」と述べるのは危機管理コンサルティング会社の宇於崎裕美氏です。
「憶測を述べず、分からないことは分からないと言うことも必要だ。住民の不安は、取り得る策や応援要請の状況など『自分たちが確実にできること』を丁寧に発信していくことで解消すべきだ」とも述べておられます。

ほぼ停電状況が復旧したのは、発災から11日を経過したころで、完全復旧は約20日かかるということですが、もし状況把握が早かったらもっと普及を早められたのではないでしょうか。

東電の工事用車両が現場に来て、倒木による被害の大きさが解ったといしても、東電には樹木を切断したり運搬したりすることは出来ません。法的にも出来ないようになっています。平和ボケの縦型行政の弊害でしょうが、緊急時の法的根拠が無いからです。

電話は携帯電話(スマホなど)主流になっていましたから一般の通信はそれほど打撃は受けなかったようですが、設置型の通信(インターネットを使ったもの)は打撃があったようです。

電気でも電話でも、またガスや水道なども、一旦社会システムとして出来上がってしまえばあとは保守管理が重要な仕事になります。
保守管理とは、一種の平常維持活動であり、その組織は軍隊と同じ性質を持ちます。

自衛隊は災害復旧に大いに貢献していますが、発災前の行動はしておりません。他国の侵入には目を光らせ、スクランブル発信がなされていますが、自然災害に関しては予備活動をしていないのです。まあ管轄外と言うことでしょうね。

今回の台風被害のことを考えますと、台風が通過した直後に房総半島など台風通過経路の衛星写真をチェックするということが最初に行うべき仕事だったのではないでしょうか。
「強力な台風」ということは判っていたはずですから、通過前と通過後の写真で被害のおおざっぱな状況は視られたと思います。

次に被害の大きそうなところにはドローンなどを飛ばして区域ごとの被害状況を把握すべきです。

少なくとも電気工事車両が行って、倒木の酷さに気付き、その処理を行政に知らせるような失態はなかったのではないでしょうか。

道路の倒木は、その地域の住民のボランティア活動ですみやかに取り除かされたそうです。ですから道路の復旧は早かったわけですね。

偵察機のスカイフォークとかプレデターがアメリカ軍で開発されています。このような軍用機は、自然災害の情報収集にも使えるはずです。
ステルス性能などは不要でしょうが、運用は軍の運用と同じでしょう。

安全保障については、侵略阻止も自然災害も同じだと考えた方が良いのです。今回の千葉県の台風被害に見せた初動対策の失敗を、我が国を取り巻く国々はよーく見ております。
もちろん中には侵略の意図をもって見ている国もあること、我々は強く認識しなければなりませんね。

NHKのネット配信は・・

今年度中の開始を予定しているテレビ番組のインターネット常時同時配信は、その素案を公表しました。
NHKは11日から来月4日まで一般から意見を募った上でさらに検討を進め、その後、総務相の認可を受けなければ」ならないそうです。(どこからコメントが出来るのか判らないようにしてあるようですね)

しかし地域向け放送番組については、放送対象地域に配信を限定するとのことですが、そんなことがネットで出来るのでしょうか。
接続しようとした方の位置情報を探り、それが対象地域でなかったら接続をさせないと言うようなトリッキーな手法でも使うのでしょうか。(個人情報にならないかな?)

また、対象地域の方で、その番組をネット上で録画して拡散することは考えられないのでしょうか。著作権侵害で訴えるのであれば、そんな訴訟がたくさん出てくるように思います。
お金を取り、しかも地域限定などの番組をこのような方法でカットすると、このような不正配信が激増するように思います。また地域向け番組も、不正配信を意識して番組作りをするようになるかも知れませんし、不正配信でYouTubeから広告収入が入るとなると、多くの不正配信が始まるでしょう。
なにしろあの中共も手を焼く不正配信なのですからね。

インターネットでは、閲覧登録を簡単にさせることが出来ます。このような一般的手法をなぜ使わないのか理由がわかりません。
商用利用で、契約するとIDとパスワードが与えられ、課金されるサイトを閲覧することは、インターネットの使い方の常識です。

それをNHKは所持課金にしたいがために、何とか放送法を適用しようとその素案作りに力を出したようですが、その行為自体がおぞましい課金亡者のように見えて仕方ありません。

一般の放送も、「N国党」が述べている通り「スクランブル放送」にして流せば、受信者だけから何の問題もなく受信料を取ることができます。
ましてネットでの放送なら、「NHK視聴」のためのIDとパスワードを与える時に、住所と氏名を登録させ、NHKはそこに請求書を送付するか、または登録時に自動引き落としを選択させるかどうか、その程度の問題なのです。

民放は「TVer」というサイトを開始しています。
民放の人気番組をコマーシャル付きで見ることが出来ますし、何度も、好きな時間に視ることが可能です。これも登録が必要で、こうすることでネット視聴の「数」の把握が出来ますし、スポンサーに対してもネット配信上乗せスポンサー料が入ることと思います。

スポンサーがコマーシャルに通販システムを取り入れれば、現在のテレビショッピングよりも一般的になって行き、Amazonの利用者数が落ちるかも知れません。通販システムで新しいメーカーと小売業の展開があると思います。

また国営のネット番組も税金で運用され始め、さまざまな行政サービスや災害情報を放送するようになると思います。そうなればNHKの価値も下がるでしょう。

つまり、NHKが課金の古いシステム維持に頭を使っている間に、放送通信技術が日増しに進歩し変わってきているわけです。

NHKはこの課金システムにいつまでもこだわっていると、民放は競争していますからNHK以上に売り上げを伸ばすかも知れません。
放送事業だけでなく、自由にさまざまな事業が考えられるわけですから。

現在もNHKを視聴しているかどうかを聞きますと、団塊世代とその子供くらいまでです。あとは視てもあまり興味はなく、興味はネットのゲームとか通販サイトのようです。
SNSなどにも興味を示し、そこで集会などの案内が、友人関係を作りはじめているように感じます。

そのうちにテレビで面白い番組を視た一人がSNSでお知らせ拡散をするようになると、ビデオオンデマンド対応の番組でないと視聴が稼げない時代になってくるでしょう。

国会がいつまでも受信料を取れる法律を直さないなら、ユーザーの希望によって決してNHKが受信できず、NHKもそれを認めざるを得ない端末が売れ始めると思います。
受信料がNHKをスポイルしてしまえば、もはやNHKの生き残りは不可能になります。それを考えたことがあるのでしょうか。

国会議員も、もうNHKよりもネットの視聴者の方が選挙を左右する時代になっていることを、重く受け止めなければ明日は無いかも知れません。
良く考えて欲しいものです。

通貨供給、国債、そして税金

イメージして欲しい絵があります。2本のパイプがあってその先に風船が付いた絵です。
片方のパイプから空気を送り込みますと風船は膨らみます。もう片方のパイプから空気を抜きますと風船は縮みます。

空気を送り込む方を「統合政府の通貨供給」。空気を抜く方を「統合政府の税金」として、風船をわれわれの社会とします。
統合政府の通貨供給を続け、統合政府が税金を取らない状況であれば風船は膨らみ続け、やがて爆発するでしょう。これが究極のインフレです。
一方、統合政府の税金を取るだけで統合政府の通貨供給をしなければ、風船は萎みやがて固い塊となってしまうでしょう。これが究極のデフレです。

「統合政府の通貨供給」とは、通貨を発行しそれを政府が使って社会という風船の中に送り込むことを意味します。それは公共投資でも、公務員給与でも何でも構わないのです。
「統合政府の税金」とは、法によって決められた通貨で税金を支払うことを意味します。所得税であれ消費税であれ、あるいは相続税であれ何でも良いのです。

社会という風船は、その風船の皮に当たる「経済運営」と言うものが、どんどん丈夫になって行きます。それはその社会を構成する要員(国民)が増えても受け入れられるようにするためです。
技術の進歩や文化の進歩がそれを可能にして行くわけです。

こうして風船は常に大きく膨らむ可能性を持つわけです。もっとも大きくなりすぎると内部矛盾が生まれて2つの風船に分割されたりします。これを収めるのが民主主義であり、政治家の仕事です。
民主主義は、未来の想定を国民に判断させるシステムで、より多数の幸福が追求できるシステムです。しかし未来の予想ですから外れることもあります。この時はすぐに切り替えられるようにすることが「少数意見の尊重」という訳ですね。けっして多数が正しいことにはならないからです。そして国民は常に切り替えるべきかどうかを議論し続けます。公の場に置いてですが、それを広く伝え、意見が聞けるのがインターネットと言う訳です。

独裁政治の危険性は、風船が爆発するまで膨らませ続けたり、風船が縮み過ぎるまで酷税を取り続けたりするから危険なのです。
暗殺、虐待、戦争(クーデターも含む)は、独裁政権か、この民主主義の機能が正しく動かないと生じます。

問題は常に経済です。その風船が現在どのような状態にあるか、それを見ながら経済を運営していくのが政府(行政)の仕事です。
税金で行政の仕事がなされていると言うのは、考え方によっては間違っています。国家は通貨供給が出来る機関ですから、税収によって国家運営がなされるわけではありません。

国家の財政諸表としては金額の記録は残りますから、税収と政府投資の数字は出てきます。これを収入と支出の関係で見ればミクロ経済的判断となります。企業経営や地方自治などの財務なら判りますが国家になるとマクロ経済を使って観なければならないはずです。

クルーグマン教授とMMTのケルトン教授の論争で、「国債を民間に向けて発行して調達した資金でもって政府支出すること」と言うクルーグマン教授の発言に対し、「通貨を供給して政府支出とし、出し過ぎた場合(インフレが起きた場合)は国債を発行してお金を吸収する」とケルトン教授が発言したわけです。

クルーグマン氏の「国債を発行して調達した資金」が、国内に向けた国債発行か国外に向けた発行か、そこがボヤかされていますが、重要なポイントです。
対するケルトン氏の「先に通貨を供給して政府支出を行い、発行し過ぎた場合は国債でそれを吸収する」という方は、国債はあくまでも国内向けと言うことを意味するようです。

政府支出が先か、国債による民間からの調達が先かという問題に帰着するように思います。
「国債による民間からの調達が先」としますと、「その民間とは誰か」という議論をしなければなりません。国内から調達が出来ない場合は他国かあるいは国際金融機関からということになるでしょう。
しかし国内で「政府支出を先」とすれば、国内取引はその通貨で行えます。その通貨を使うための法律(例えば税法など)によってそれは可能です。

国内だけで考えると、国債による政府支出も政府による通貨供給も同じことです。しかし国債を他国に向かって発行すると、本物の「国家の借金」となります。
外国からの「国家の借金」を返済すると言うことは国内の生産性を上げるしか方法は在りません。

いずれにせよ、国家が借金をすると言うことは風船が膨らむことになります。
そして国内の借金はその国の通貨供給が増えていることを意味しています。だから風船は膨らむわけです。

税金は風船を縮小させることが目的です。国債も風船を縮小させますが、政府支出に回せば風船は変わりません。経済成長とは政府の借金が増えることと同じです。
プライマリ・バランスがとれていると言うことは、経済成長していないことになります。つまり風船は膨らまないわけです。

他国の風船が膨らむとき、自国の風船が膨らまないと相対的に縮小したことになります。それでいいと言っているのが財務省。結果的に今、円と金が同じように扱われることになったそうですね。つまりドルで持っているより円にしようか金にしようか迷うと言う訳です。経済成長しないから価格維持が可能だからでしょうね。

膨らまない風船の中で、増えられない国民。だから少子化になります。当然ですよね・・・

香港はどうなるか

第二次アヘン戦争で英国領(租借)となった香港。その99年間の租借期間が切れて、1997年7月1日に、香港の主権が英国から中華人民共和国へ返還されました。

英国はサッチャー首相、中共側はトウ小平主席の時代で、もしかしたら中共が自由化するのではないかと思われていた時代です。
しかしサッチャー首相は「一国二制度」という条件を付けて返還したわけです。これは、締結後50年間は香港は民主主義体制で運用されるという条約の取り決めです。

おそらくサッチャー首相には、50年経過すれば中共は民主中国になるとの見通しがあったからだと言われています。中国の共産主義が、実は共産主義と言うより中華思想(華夷秩序)だと言うことに気が付かなかったのでしょうね。

そしてこの「一国二制度」は中共側にもメリットはあったわけです。それが金融。香港を窓口として自由世界との間のインターフェース機能というメリットがあったからです。
さらにこの一国二制度で、現実には英国からアメリカへの既得権移譲があったようにも思います。

アメリカはこの香港に莫大な投資を始めます。おそらくディープステートが動いたのでしょう。そのために香港ではシティからウォール街に既得権益が移ったような感じだったと思います。そしてそれは中共にとっても繁栄のために役立つ窓口になったわけです。

香港市民にとっては苦渋の始まりでした。中共側から香港の大学へ共産党幹部の子弟たちが金を使って入学してきたからです。大学には定員数がありますから、香港の若者たちが大学に入れなくなってしまったわけです。成績が良くてもです。そして中共から来る共産党幹部の子弟はあまり勉強が出来なかったこともあって、香港の若者の反発が強まります。

さらに就職も同じようになって行ったと言います。香港の若者には良い就職口がなくなり、次第に香港の若者の未来が暗くなって行ったそうです。

そこに習近平政権が始まり、一国二制度の蹂躙が始まります。香港の若者と、そして市民が立ち上がりデモ(デモクラシーですね)によって政治体制の民主主義を守らせようと動きます。雨傘運動などが始まった訳です。

アメリカにトランプ政権が誕生すると、香港の民主活動家はすぐに動き出します。習政権はそれを押さえにかかります。こんな攻防が続いていたところに、台湾と香港の間に「犯人引き渡し条約」が作られそうになり、学生と市民がネットワーク型(センターレス)のデモを始めたわけです。

トランプ大統領は対中経済戦争を戦っています。そして香港のデモも支援しています。反トランプ側の民主党も香港デモに対してはトランプ大統領以上に積極的に支援しています。もちろんその背後にはウォール街があるのでしょう。

習政権はこのアメリカの動きを「内政干渉だ!」と騒いでいますが、一国二制度という条約を守らせるための支援として、アメリカは後へは引きません。ディープステートにとっても後へは引けないわけです。

そしてここに「香港人権民主主義法」なるものが提起されたわけです。下院議会で採択されるでしょうし、その後上院でも採択されるでしょう。当然トランプ大統領はサインをするでしょう。

雨傘運動のリーダーである黄之鋒(ジョシュア・ウォン・22歳)氏とその仲間は、ドイツを訪問してマース外務大臣と会談、一国二制度を訴えました。そしてその後はアメリカの「ワシントンDC」で「香港人権民主主義法」の成立を要請するようです。

この法案の中身は、もし中共が民主活動家を逮捕・監禁あるいは殺害すれば、その元をたどって共産党幹部の資産凍結を行うと言うもののようです。
共産党幹部はアメリカに自分の資産を逃避させています。そのほとんどをアメリカ政府はつかんでいます。ですから資産凍結は当然、可能なのです。

香港デモは現在でも止まりません。デモ対は五大要求を掲げています。「逃亡犯条例の撤回」「逮捕されたデモ参加者の釈放」「警察の『暴力』に関する独立調査委員会の設置」「デモを『暴動』とした定義の撤回」そして「普通選挙実施」です。

キャリー・ラム行政長官は「逃亡犯条例」を撤回しました。ですからあと4つの要求がデモの目的となったようです。
中共側にとって、この4大要求を呑むか、それとも軍事的制裁で「第2の天安門事件」とするか、もうそのどちらかしか選択の余地は無くなったようです。

そこで「香港人権民主主義法」の成立が重要になってくるわけですね。そして間もなくこの法案は成立するでしょう。
中共は香港デモの要求、特に「普通選挙実施」などは絶対に認めることは出来ないでしょう。それは香港から共産主義体制が崩れることに繋がるからです。

追い込まれ、大義なき暴力に訴えるしかない習政権。それを監視する世界。資産凍結の後は英国が「一国二制度違反で香港返還条約の無効化」となり、香港防衛のための軍事活動・・という段取りかも知れませんね。

それにしても、日本の人権活動家は何も言わずに黙っています。彼等にとっては朝鮮とアイヌと沖縄の人権だけが人権であって、他国の人達の人権などどんなに侵害されようがどうでもいいし、むしろ弾圧側に回るのかも知れません。彼等こそ人類に対する背信行為の団体であることがはっきりしてきましたね。

ボルトン氏辞任、何故?

ボルトン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)が解任されました。ボルトン氏が言うには「辞任した」そうですが・・・

「Make America Great Again」として大統領になったトランプ氏です。ですから経済的にアメリカを立て直すことと、中共のような「ずるがしこい国」をひきづり降ろすことを考えていますが、ボルトン補佐官はどちらかというと「軍事的強硬派」だったとのことです。

「メイク・アメリカ・グレート・アゲイン」は、アメリカの軍事力を強くし世界を恫喝しようと言うものではありません。ただ「ディープステート」のような経済覇権ではない、トランプ流の経済覇権を狙っているように見えます。
ですから経済圏構想(ブロック経済)ではなく、2国間での貿易協定にこだわるのではないでしょうか。

制服組のマクマスター氏からボルトン氏に引き継がれた補佐官(国家安全保障問題担当)でした。
しかしワシントン既成政治派だったボルトン氏は、どうやらNSCを乗っ取ってしまったらしいと言うことです。
そして対イラン、対北朝鮮その他で、軍事的強硬路線を取り始めたところから、トランプ大統領と意見が食い違い始めたようです。

トランプ政権がイランへの空爆を直前で止めたのは、ボルトン氏がトランプ大統領に正確な情報(100人規模の戦死者が出ることなど)を直前まで知らせなかったためだったとか。

そして今回、トランプ政権がアフガンのタリバン勢力とキャンプデービッドで和平協議を行おうとした時、ボルトン補佐官が「テロリストとの協議などすべきではない」としてキャンセルせざるを得なくなってしまったことでした。
ボルトン氏によるリークが原因だったようです。

ボルトン氏の後に誰が補佐官になるのかは判りませんが、現在名前が挙がっている人たちは、今までイランや北朝鮮との対話路線で活動してきた人ばかりだそうです。
彼等がワシントンで外交政策を取り仕切るようになったときは、アメリカが対日政策を変え、日米安保の大幅な見直しを要求してくるかも知れません。日本の核武装を認めた上で・・・

トランプ政権は、イランやアフガニスタンと言った中東への軍事展開を引き上げて、対中戦略一本に持って行きたいようです。
安倍首相はトランプ大統領に「拉致した日本国民を全員返したら、相当の額を資金援助する」として金正恩委員長との対話に臨ませました。
「アメリカは金を出さないが、日本が莫大な支援をする、ただし拉致被害者を返してからだが。」というトランプ大統領の発言は、金正恩委員長にどのように伝わったのでしょうか。

それから数回、金委員長はトランプ大統領と会談をしております。それは北朝鮮とアメリカが近づきつつあることを、習主席に見せつけるためだと思います。
トランプ大統領側も、北朝鮮に制裁を掛け続けながら、北朝鮮がアメリカと近づいていることをアピールできます。経済的な交渉はしなくても良いので楽でしょうね。

このような状態が続き、アメリカは中共を追い詰めます。中共からの輸入品に30%の関税を掛ければアメリカ国内の物価が上がり、トランプ政権の人気が落ちるのではないかという点について、高橋洋一氏は「中共だけでなく他の国でも作っている物にだけ高関税を掛けている。上手に細かく見ているから、国内の物価は上がっていない。中共製が高くなっても他の国からの製品は高くならないからだ」と述べています。

中共の経済悪化は必ずしもアメリカの高関税が原因ではないかも知れません。この宣伝効果があって外交的に中共が追い詰められ、もともと潜在していたバブル崩壊現象が少しづつ現れ始めたのかも知れませんね。

もしかすると中共の経済低迷がアメリカの関税によるものではなく、バブル崩壊から一定期間置いて本当の景気後退が始まったのかも知れません。

最近、アマゾンなどで衣料品などを買うと、これまでは「Made In Chaina」となっていたものが「Made In Vietnam」となっています。日本語で「ベトナム製」と書いてあることもあります。
これは中共の製造業がベトナムやカンボジアに移っていることを意味しているようです。

製造業が外国に出ていくと言うことは、中共国内の産業の空洞化が起きていると見るべきではないでしょうか。
結果として人民元が安くなってきます。そこを突いてトランプ政権は中共を「為替操作国」と認定しました。
人民元を維持するために中共がドル売り元買いを行っているからでしょう。

これがトランプ流の戦争なのでしょう。トランプ政権はこのような波状攻撃を2020年11月まで続けるつもりだと思います。そう、大統領選挙に勝利するまで。

このために中東から軍を引くのだと思います。中東での戦いはディープステートを利するだけだからかも知れません。
タリバンやISは、ディープステートの為に中東を攪乱しているだけのようですから。

そこがボルトン補佐官には判らなかったのでしょう。
日本に対し友好的だったボルトン補佐官です。居なくなるのは淋しいですが、しかし表面とは違ってボルトン氏の心の中では日本を利用しようと考えていたのかも知れません。いや、実際は判りませんけどね。

内閣改造、世界の潮流に乗れるか?

すでに消費増税10%を決めたあとの参議院選挙で勝利した安倍政権は、幹事長、官房長官、財務大臣、をそのまま残し、その他をかなり変えました。
https://www.kantei.go.jp/jp/content/000049051.pdf

まあ、選挙で一応勝利した後の幹事長は変えられないでしょうが、財務大臣をそのまま留任で良いかどうか疑問の残るところです。
10月1日からの消費増税は間違いなく日本のデフレをさらに進めてしまうのではないでしょうか。
麻生太郎財務大臣は、現在中共経済がどのような状況にあるのか、欧州各国(EU)の経済がどのようになっているのか、そして今後世界同時不況(大恐慌)が来るかも知れない事態に対処できるのかどうか・・・疑問が残ります。

欧州ではフランスやドイツがついに金利マイナスとなってしまいました。これを「ジャパナイゼーション(経済の日本化)」と呼んで、今後脱却のための政策が議論されるでしょう。
これに日本の財務大臣は財務省を裏切ってでも対策を取らなければならないと思うからです。
つまりプライマリバランスなどかなぐり捨てて、国債の発行とインフラ投資、研究開発投資、人材育成投資を「てこ入れ」し、落ち込む消費を支えるための何らかの政策を取らなければなりません。
肩書だけの「デフレ脱却担当」では仕方ありませんからね。

防衛大臣は岩屋毅氏から変わって、河野太郎元外務大臣です。韓国に媚びを売り、平和の妄想を振りまいていた岩屋氏よりもまともな防衛大臣になりそうです。
そして外務大臣には茂木(もてぎ)敏光氏が任命されました。河野太郎氏の後を完全に継いでもらいたいのですが・・河野太郎外務大臣が外されたのは、仕事をし過ぎて外務官僚に煙たがられた結果だそうですね。仕事をする大臣を日本の官僚は嫌うみたいです。自分たちがサボりたいからだそうですが・・・

総務大臣には高市早苗氏が任命されています。「マイナンバー制度担当」という肩書が付いていますが、税金処理時以外に使い道の無いマイナンバーカードを、もっと自由に使えるようにして、便利なマイナンバーカードにして、普及させて欲しいものです。

文部科学大臣には萩生田光一氏が任命されました。先ずは「東京裁判史観の払拭」を小中学校の教科書から始めてもらいたいものです。もうインターネット上では常識になっている「戦後のGHQのWGIP」がもたらした弊害を、学校でも教育させるように法改正も含めてやって欲しいですね。
現在の歴史教科書は「まるで韓国の妄想史が書かれている」とか聞いております。もういいかげん韓国に媚びるのは止めましょう。頑張ってもらいたいですね。

この内閣を韓国は「安倍晋三首相が極右性向の側近らを大挙重用」などと伝えているようです。現在の韓国が極左政権ですからそう見えるのではないでしょうか。つまり一般的な内閣だと言うことの証です。

トランプ政権は、いよいよディープステートとの戦いを始めたようです。つまり、企業経営のやり方の方針転換です。
これまでの「株主中心主義」から「企業内中心主義」への改革が行われようとしています。昔の日本の企業の在り方と同じような発想です。もちろん全く同じではありませんが・・・

これまでは企業は業績を上げて株主配当を優先して支払うことが良いことだとされていました。そして決算を3カ月ごとにやるなど、無意味な株主中心主義が始まってしまったわけです。

この裏側には利息で食っていく株主の存在があり、その元締めがディープステートだったようです。莫大な利益が政治を操る道具に使われ、ゆえにディープな政府(深層に隠れた政府)と言われていたわけです。

しかし、健全な経済とは働く人が優先される経済です。そうしないと生産性が悪化するからです。
働けば給与が上がり心配することなく働ける社会、利益に翻弄されることなく健全な経営が営める資金繰りなどが提唱されているようです。そう、30年ほど前の日本型経営がこれに当たるわけです。

この日本型経営に異を唱えて、株主優先経済を日本に叩き込み、MBAプログラムなどを使って日本人にアメリカ式経営を推奨してきたのがディープステートのやり口でした。それが良いことだと思い込んだ日本は、それから国力を失っていきます。

欧州が、アメリカが、そして日本がこのディープステートに操られてきたわけです。この間違いが今、トランプ大統領によって駆逐されようとしています。
中共だけが、このやり方を学びながら、株主ではなく共産党指導部にお金が入るように仕掛けたわけです。ここからディープステート対中共の戦いが始まったようです。

ロシアはプーチン大統領によってディープステートからは守られてきました。しかし故に経済は低迷し、国家存亡の危機まで追い詰められていきます。もちろんそれでもプーチン大統領は負けていませんけど。

世界中がこのディープステートのやり方に気が付き始めています。そのためでしょうか、誰も銀行からお金を借りなくなってきました。インターネットを使ったクラウドファンディングなどという手法も登場してきたからかも知れません。

では誰が銀行から借金するのでしょうか・・・

もしかしたら、欧州のマイナス金利は誰も銀行からお金を借りなくなったからかも知れませんね。もっとも、これは良いことではありませんけど。

こうして経済社会が変化していきます。この改造内閣は、このような変化に耐えられるでしょうか・・・

苦境に立つジョンソン首相

「ヨーロッパは一つ」という欧州の夢、産業革命以降の戦乱の欧州は、植民地支配による豊かさの恩恵の奪い合いでした。
第二次世界大戦で疲弊し、戦時中の日本軍の活躍があって、日本を叩き潰した後に植民地の独立が相次ぎ、経済的に没落していった欧州です。

そうなって、やっと「ヨーロッパは一つ」を実現しようと言う動きが始まり、EUが出来ました。しかし、やってみると欧州各国の利害得失が表出し、まとまることが大変だったようです。

欧州各国政府の上にEU政府がある様な構造で、EU加盟国はEU税を支払わされていました。
もちろん全国民から徴収するわけですから、国民の間には不満もあったようです。
まとまらないEUを何とかまとめていたのは英国で、また、英国はEUの市場として多くの物を購入しておりました。
英国国民は「EUに加盟してからろくなことが無い」と感じていたようです。

富裕層は財産の隠蔽を計ります。いわゆるタックス・ヘイブンという地域に財産を隠し、課税のがれをしたわけです。(昔から植民地の利益などを隠していたという話もありますね)
スイス銀行や、小さな島の独立国などを使って隠蔽するわけです。EUはそれを認めていたようです。EU設立時に裏取引があったのかも知れませんね。もしかしたらEUそのものが租税回避を裏目的にしたものだったのかも知れません。

なんとなくそれがバレてきて、キャメロン首相がEU離脱の国民投票をやったら、52%の離脱賛成でEU離脱が決まってしまったわけです。つまり48%がEU既得権で儲かっているか、EUを利用した租税回避を行っている富豪が居ると言うことも考えられます。

ただ、ある調査機関の世論調査によりますと、あの時の国民投票に投票しなかった有権者の内、合意なし離脱を支持するのはわずか21%。反対はその倍近くの43%に上るそうです。

国民投票EU離脱に投票した人も、合意なし離脱に賛成か反対かを問えば、「賛成」を選んだのは73%だったそうです。
つまり27%は合意なしブレグジットは「良い」結果ではないと思っているわけですね。

キャメロン首相の後を継いだメイ首相は、ブレグジットでEUの提案を大幅に取り込んだ法案(つまりEU離脱骨抜き法案)を議会から否決されて首相辞任となってしまいました。
この時、英国議会はEUに有利な離脱を拒否したわけです。

アメリカのトランプ大統領は、この時英国に対して「合意なき離脱を支持する」という声明を発表し、EU離脱後はアメリカと英国で2国間協定(2国間FTA)を結ぼうとエールを送っています。

そして「合意なき離脱」を排除しない・・としてEU側と交渉するというボリス・ジョンソン氏が首相の座に就きます。(離脱が10月31日を変えない)
EU側はメイ首相に示した案から譲歩はしないと、まだ態度を硬化させていますから、もはや「合意なき離脱」しか無くなって来た様に見えます。

この問題の核心にあるアイルランド問題で、ジョンソン首相はアイルランドのレオ・バラッカー首相と会談しましたが、「どうするか具体的な案を持ってくるのはジョンソン大統領の方だ」として問題解決には至っていません。
バックストップ条項を見直し(撤廃ではなく)、EU側が合意に向けた譲歩案を示すことは考えられるようなのです。

英国は国民投票のやり直しはしません。
そして9月9日、欧州連合(EU)からの離脱延期を求める野党法案が裁決され、エリザベス女王が裁可してしまいました。
この離脱延期法は、10月19日までにEUとの新たな離脱協定案が議会で承認されない場合、来年1月末までの期限延期をEUに求めるようジョンソン氏に義務づける内容です。
与党保守党の造反(裏切り)議員が21名も出て、その結果でした。もちろんジョンソン首相はこの21名を除名します。

そしてジョンソン首相は、4日に否決された総選挙の前倒しを求める動議を英下院に再び提案するそうです。現在の世論調査では保守党は支持率で最大野党・労働党に10ポイントの差をつけており、ジョンソン氏は総選挙で保守党が過半数を確保し、法案の撤回が可能と見込んでいるからです。

野党「労働党」は、現在過半数の議席を持っています。そして英国は解散総選挙は英下院の3分の2以上の賛成が必要なのです。
ですから野党労働党は、ジョンソン首相の解散総選挙の動議に反対する構えです。

「合意なき離脱」も、解散総選挙も出来ないと、ジョンソン首相に残された策は何でしょうか。
ここまで追い詰められても、ジョンソン首相は離脱延期の回避を諦めないそうです。

世論調査で、「EUが離脱協定について交渉再開に応じない場合に英国は合意のないまま離脱すべきか」と質問すると、合意なし離脱の支持者が46%で、反対の39%を上回ったそうです。
また、「英国が10月までにEUを離脱するための条件に、英国とEUが合意できない場合に合意なし離脱を支持するか」と質問したら、50%が反対し、賛成は38%に留まったそうです。

つまり英国民もどうしたら良いのか決断が出来ていないように思います。英国がEU離脱を望むのは、EU側の官僚体質に問題があるからだ・・と言う事をもっと英国民に知らせておけば、また世論調査の結果は変わると思いますけど。
2度も延期を認めたEUは、3度目を認めるかどうかわかりません。フランスもドイツも追い込まれていますから。ジョンソン首相はバックストップ条項の妥協案をEUに呑ませる自信があるようにも見えます。

諦めていないジョンソン首相。さすがにジョンブル魂(不屈の精神を持つ本当の意味での英国人)の国ですね。ぜひジョンソン首相には「ジョンブル魂を見せてやる!」と言って欲しいですね。

NHKのネット配信課金は?

「NHKの使命は、公共の福祉のために全国にあまねく放送を普及させ、豊かで良い番組による放送サービスを行うことにあります。」と言われています。
そしてこの目的の達成のために「受信料課金」という制度が法律で決められています。

この受信料課金制度は、受信設備を持った国民はNHKと契約したことになり、法に従って集金することになります。

昔はこれで良かったのでしょう。そしてテレビの普及とともに契約数も増え、NHKには潤沢な資金が法律に基づいて流れ込みました。
この資金で、これまでNHKは民間放送では出来ないような金のかかる取材をして放送を続けてきたわけです。

テレビ番組で、日本全国にあまねく行き渡る放送は芸能界にも強い影響力を持ち始め、ドラマなどに出演すると知名度が上がることなどから、安い出演料でも多くの芸能人が出演しますし、政治家などもNHKを敵に回したくないため、NHKの政治番組では政治家はNHKの問題点を指摘はして来ませんでした。

NHKの受信料課金は、大東亜戦争敗戦後GHQによって擁護され、政府と切り離された報道機関が好ましいとのことから受信料課金が続けられてきたわけです。
そしてGHQの占領政策に基づいた放送などが行われ、それから偏向報道(日本悪者論、妄想平和主義など)を主流とした番組作りが始まったわけです。

田中角栄政権で日中友好が始まると、NHKはシルクロードという番組を、中国大陸でロケを行いながら作ってきました。しかしここからNHKと中共の黒い関係が始まったようです。
「中共の取材をさせる変わりに、中共が禁止する報道をするな」と言うような取り決めがなされたのかどうか、そしてその監視役のCCTVの東京支局が渋谷のNHK放送センターの中に出来ているとか・・・

時代は進み、そして通信技術も進み、ソビエト連邦崩壊後に無料開放されたインターネットが普及し、そこに登場した動画配信サイト(YouTube、ニコニコ動画など)を通してニュースを見る国民が増え、スマートフォンなる電話とネット受信の両方が行える携帯端末が普及し始めると、NHKの契約者数が減り始めました。

そこでNHKは経営方針を変えれば良かったのですが、GHQから与えられた既得権にすがりついたのです。そこからこれまで支払を拒否してきた人達を法的に訴え、お金を支払わせ始めました。
本来であれば、NHKを分割し地上デジタルはスクランブルを掛けたうえで契約者にだけ見られるようにして、インターネット上に流す番組はNHKで選択した上で無料公開にするなど、システム改革に取り組まなければならなかったはずです。

現在はネット配信をすると言うことが決まったようで、そうなればパソコンやスマホも「(NHKの)受信設備」ということになりますから、現在の法律では課金されることになります。

「弁護士ドットコム」によりますと、「ネット環境があるだけで受信料を請求される」ことは現時点ではないと述べております。しかし受信設備とされれば法律で課金することが合法となります。
パソコンであればネットサイトの契約先の課金に含まれたり、スマホであればNTTなどの課金システムでNHKの料金を徴収したりすることはすぐに可能です。

これでは見なくてもお金を取られることになり、「押し売りNHK」と言うことになってしまいます。
また、インターネットは世界への配信システムですから、ネットに乗った番組は世界中に配信されます。では世界中から受信料を取らなければおかしくないでしょうか。
NHKの受信課金制度は国内法ですから、それを国際法にしなければ課金は無理です。今のままでは日本国民だけがお金を取られて、世界の人達は無料ということになります。
やはりおかしいですね。

このような問題が発生しているのは、技術進歩を無視して既得権にすがり付き、法を改正すべき時に改正しなかったことから来る問題ではないかと思います。
いったい立法機関は何をしていたのか、既得権優先の候補者と選挙民、報道機関に媚びを売る政治家、などによってNHKが守られていたということになると思います。

技術が進めば社会も変わらざるを得ません。
産業革命が起きても、それの社会的な意味が解らずに、農業主体の政治体制で戦争に突き進んでいった人類の過去もあります。
すべて既得権にしがみつく富裕層が原因でした。

裁判で勝利し、使い切れない視聴料を手に入れ続けているNHKです。それを元手に新しい放送法の在り方とか、ネット社会の安全の確立、情報リテラシーの啓蒙など、これから未来の社会に向けて、必要となる社会体制に変えていく活動を行って欲しいですね。